遺言書が存在しない場合は、遺産の具体的な分割方法は遺産分割手続により決定されます。
具体的には、まず、法定相続人間で、遺産の具体的な分割方法について協議(裁判所外での話し合い)を行いますが、協議で分割方法がまとまらない場合、調停(裁判所上での話し合い)に移ることとなります。
調停を行う裁判所は、基本的に、相手方(法定相続人間のうち調停を申し立てていない方)の住所を管轄(担当)する家庭裁判所となります。(家事事件手続法245条1項)
これに対して、調停でも分割方法がまとまらない場合は、審判(裁判所が自らの裁量で分割方法を決定する)に移行しますが、審判を行う裁判所は、相続開始地(故人が亡くなる際の住所地)(家事事件手続法191条、民法883条)を管轄する家庭裁判所と法律上、規定されています。
このように、調停と審判では管轄裁判所の基準が異なります。
例外的に、調停不成立後の審判についても、調停が行われた裁判所と同じ裁判所で行われる可能性もありますが(家事事件手続9条)、上記の基準通りに、相続開始地の裁判所に移されて行われる(移送される)可能性もあり得ます。
最終的に裁判所の決定次第ですので、故人と共同相続人の住所が離れている場合などは注意が必要です。
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